管理が行き届かなくなった竹林、荒廃していく山
近年、各地で放置された竹林による森林の荒廃が問題となっています。
その背景には、海外から、たけのこや竹材が安価で大量に輸入されるようになったこと
たけのこや竹材の生産者の高齢化が進み、後継者不足になったこと
私たちの生活が欧米化し、竹製品の利用が減少したこと
プラスチック製品など、竹製品の代替品が普及したこと
などが挙げられています。
その結果、各地の竹林が管理されなくなり、荒廃した竹林が数多く存在しているのが現状です。
放置された竹林は、雑木林へ進入・拡大します。樹木が樹高10mになるには通常10年以上かかるのに対し、
竹は数ヶ月で10~20mまで成長します。
このように竹は成長が早いことから竹林が過密になり、樹高の低い他の草木に太陽光が入ってこなくなるために、
雑木林が枯渇してしまうという問題も引き起こしてしまうのです。
竹は地中深くまで根が伸びないため、保水能力が低下し、土砂崩れの危険性もあるという防災の面での問題も挙げられています。
竹林の整備・管理から、竹林の需要を創る事業開発へ
そんな荒廃した竹林を再生し、豊かな資源として役立てたい。
そしてただ整備をするだけでなく、私たちの竹林で育った国内産たけのこを使用した製品の開発を行っていく、それが理想の形。
そのための第一歩として美しい竹林づくりとその管理を福岡県八女市にある竹林からはじめました。
竹炭や木酢液の開発も視野に入れ、敷地内に炭焼き窯も設けました。
ただ整備を進めるだけではなく、竹の有効活用方法を考えていくことが、根本的な解決に繋がると考えています。
日本の竹林面積から考えると、小さな小さな取り組みですが、成功事例としてのモデルケースや大きなものを生みだすきっかけになればと願っています。